本物のピアノで演奏する体験を。
YouTubeなどで様々な音楽が気軽に視聴できるようになった時代。なんて幸せなことでしょうか。「あの曲はどんな感じだろう。」「あのピアニストはどんな演奏をするのだろう。」そんな好奇心をあっさりと満たしてくれます。
一方で、生の音楽に触れる機会は減っているようにも感じます。誰かの演奏を生で聴いたことがない、本物のピアノに触ったことがない、非常に残念なことです。
音は空気の振動で、単なる物理現象ですが、生身の人間がそれを受け取ったとき、意味のある音=音楽となるのです。なぜなら、人間には心があるからです。奏でる側にも、聴く側にも、心がなければ音楽には成りえません。
だからこそ生の楽器や演奏者と同じ空間で、耳だけでなく、肌で、全身で音楽を感じることは、デジタル機器を通した音楽とは異次元のものだと思います。
グランドピアノで演奏する体験を通し、自分の音を奏でる喜びを知っていただけたら幸いです。
ピアノと出会い、音楽を人生の楽しみの一つにできる。それはとても素敵なことです。誰しもが音楽を好きになるとは限りませんが、当教室が音楽体験のきっかけの1つになればと願っています。
子供たちにほっとできる場所を。
子供たちにとってピアノの先生とはどんな存在なのでしょう。
ピアノを弾けるよう導く、それがピアノ講師の仕事です。ピアノ教室はピアノの演奏技術を学ぶ場所。しかし、子供たちがピアノ教室に通う意味はそれだけではないようです。子供たちは、学校やお家のこと、勉強のこと、将来のこと、日々のちょっとした出来事でも先生に話すことがよくあります。
「今日は何かいいことがあったのかな?」「最近、ちょっと悩み事でもあるのかな?」その子と何年も長く関わっていると、そんな些細な変化にも気づくものです。ピアノの演奏にも現れます。音楽は正直です。
ピアノ教室は個人レッスンなので、周りのことを気にせず先生と1対1の対話ができます。無理にピアノ以外のお話をすることはありませんが、音楽を通して先生とも自分ともじっくりと向き合う時間になるでしょう。
コミュニケーションの希薄化が進む現代において、ピアノ教室は貴重な場所かもしれません。当教室が子供たちにとってほっとできる場所の1つでありたいと考えています。
楽しくきちんと学ぶ。
なんとなく通って、なんとなく弾けるようになる、そんなピアノ教室ではなく、Chimney Music Roomは楽しくきちんと学ぶピアノ教室でありたいと考えています。
ピアノは弾けなければ楽しくありません。
そして、上手に弾けるようになるには練習しなければなりません。
当たり前・・・でも、その当たり前のことが難しいんですよね。分かっているけれど、なかなかできない(苦笑) みんなそうです。子供だけじゃない、大人だってそう。
「なぜできないの?」「どうしたらできるようになるの?」
練習ができない理由、そして、練習を習慣化させる方法を生徒さんと一緒に考えます。ピアノ教室に行ってピアノを弾くことだけがレッスンではないのです。
目標の設定と練習のルーティン化。
毎日の練習を楽しくする工夫。
何事も見通しを持って取り組み、達成する喜びを知ってほしいです。それはピアノを弾くことだけにとどまらず、人生の様々な課題をクリアする力、生きる糧となるでしょう。
子供のレッスンでは特に、発達段階に合わせたレッスンを行っています。
脳機能、身体機能、骨格や筋肉、精神面など個々人がその時点で持っている能力があります。それらは個性であり、みんなそれぞれ違っていますから、単純に優劣をつけることはできません。
ピアノの演奏技術の習得にあたっては、他者と比較することは意味がないと考えます。過去の本人と比較してどうなったのかが大切です。
当教室ではレッスンノートの作成など、レッスンの進捗状況や練習課題を見える化し、達成感を感じやすいような仕組みづくりをしています。
自己効力感を高める。
ピアノ学習者は「自己効力感」が高くなると言われています。
昨今よく聞く「自己肯定感」という言葉がありますが、「自己効力感」と似ているようで異なるものです。
「自己肯定感」は、自身の価値を感じ、自身の存在を肯定できる力。一方、「自己効力感」は、目標達成のための能力を自分自身が持っていると認識できる力。
つまり、「できてもできなくても、ありのままの自分を受け入れられる力」が自己肯定感で、「できると自分を信じられる力」が自己効力感となります。
自己効力感が高いと、目の前の課題に対してポジティブな考え方ができ、自信を持って積極的に行動に移せます。多少の失敗でも落ち込みにくく、新しいことでもチャレンジ精神を持って取り組め、結果に向かってモチベーションの維持もできるのです。
逆に自己効力感が低いと、「どうせやってもできない」という気持ちに支配され、積極的な行動を起こせず、経験を積む機会を逃したり、せっかくの能力を生かせなくなったりしてしまいます。
この自己効力感は子供でも大人でも、より豊かな人生を送るために必要な力の1つだと考えます。
ではなぜ、ピアノを習うと自己効力感が高くなるのでしょうか。
心理学的には自己効力感を高める要因は4つあるとされています。
なんとこの4つを満たすのにピアノ教室は最適な場所なのです。
自己効力感を高めるために最も重要とされるのが1つ目の「達成経験」。ピアノは正しい方法で練習を積み重ねれば確実に弾けるようになっていくものです。ピアノは「できた!」の繰り返し。必ず達成感を味わうことができます。また、発表会など人前で最後まで演奏するという成功体験は、ピアノ以外の様々なことに対しても自信を持てるようになるでしょう。
2つ目の「代理経験」についても、ピアノ教室には幼児から大人まで様々な方が習いに来ていますので、身近な例を参考にすることができます。お友達があんな素敵な曲を弾いている、お姉さんたちがあんな難しい曲を弾いている、身近に目標や憧れとなる存在がいることで、「自分もがんばりたい!」「自分にもできそう!」そんな風に思えるのです。
3つ目の「言語的説得」ですが、ピアノ教室は個人レッスンなので、先生から直接アドバイスを受けることができます。ピアノ講師は、生徒さんそれぞれの演奏や練習の仕方から見える技術・内面と向き合い、個々の能力や可能性について言葉で伝えます。「できたね!」とがんばりを認めてもらったり、「あなたならできる!」という前向きな声かけをしてもらったりすることは、自己効力感UPに繋がります。
4つ目の「生理的情緒的高揚」では、教室の雰囲気、発表会の緊張感などが影響するでしょう。ドキドキしたり、ワクワクしたり……当教室でもポジティブな感情が持てるような環境づくりを心がけています。